頼りにしていたオットは、こんなときだというのにしっかりお酒を飲んでいたせいか、一緒の布団に入るとすぐに寝入ってしまい、陣痛の時には二回ほどしか腰をさすってくれなかった('_;)
その後は、ぐうぐう寝息を立てているオットの温かい手を自分で自分の腰に当ててさすっていました(笑)
夜半1時過ぎには間隔が8分になり、ついには6分に。オットを起こす。病院に電話したら、取りあえず一度来るようにということで入院の準備をして出かける。
オットの代わりに母が運転して、2時頃病院に到着。早速分娩台に乗って内診。「帰らなくてよさそうですね」の看護婦さんの声にほっとするが、あとで聞いてみたら、この時点ですでに子宮口は6、7センチ開いていたとのこと。ひええ、この段階でももっと痛いものかと思っていた。そりゃ、その前も十分痛かったけど…
陣痛室に入り、着替えてベッドに横になって、最初のうちは部屋の時計とオットの腕時計の示す時間が違うことなどを笑っていられたのだが、だんだん痛みがきつくなってくる。途中で、助産婦さんらしきベテランナースが入室、呼吸法の指示をしてくれる。途端に痛みが半減したのでびっくり。
しかし徐々に呼吸が乱れてきて、七つカウントする最後まで吐く息が持たなくなったりしてくる。しきりに「大便したくなってこないか」と聞かれるが、まだよくわからない。痛みの持続時間と、痛みと痛みの間隔がほとんど同じくらいになって、途中から誰が腰をさすってくれているのかさっぱりわからなくなってくるし、確かめるほどの余裕もなくなる。
ついに「尻に来た」ので、そう言うと、「はい、じゃあ分娩室行きましょう!」と声がかかる。このとき実は母がたまたま部屋にいなかったらしいのだが、全然気づきませんでした(^.^;)
分娩室(改装工事直後でぴかぴか)に入り、分娩台に乗り(一苦労)、内診され、会陰付近を剃毛され、導尿され、点滴を確保されたが、この間も大して時間はかかっていなかったはず。この間に数度陣痛があったくらいだから…
分娩台に乗ってからは誰も呼吸のカウントを手伝ってくれないので、一人で必死に息を吸ったり吐いたりしていたが、あんまりつらいので、ついに悲鳴のような息が漏れ始めてしまったころ、「はい、いきんでいいですよ!」と言われる。え〜本当にもういいんかいな?
しかし、立ち会うはずのオットがまだ来てないんですけど。
最初の二回ほど、要領がわからなくて、思いきりいきめなかったが、痛みをこらえるよりは踏ん張るほうが楽なので、頑張っていきむ。どこの瞬間からか忘れたが、オットが励ましてくれた。オットが分娩室に入ったころにはすでに頭が見えていたそうだ。
麻酔しますよ、と声がかかり、ああ、切られちゃうんだな、と思ったが、それどころではない。
数度目のいきみでするっと抜ける感覚があり、直後に鋭い声が。これが産声だということにどうもピンと来なかったのはほんと。しばらくしてからまた激しい泣き声が聞こえたが、わたしには真っ白で長い手の指がうねうね動いているところしか見えなかった。オットはビデオの準備に手間取り、肝心のところは録画できなかったようだ(^_^)
「きれいな顔をしている」とお医者様に言われる。
臍の緒を切った直後に防水紙越しに胸の上で抱かせてもらった。まだあちこちに血や羊水をつけたままの温かくて湿った赤ん坊。軽いけど、ずっしりと充実感のある元気ないのちだった。
オットは「よく来たなあ〜!」と声を震わせていた。
その後赤ん坊は産湯のために連れていかれ、わたしは会陰切開の縫合を受ける。分娩台の正面の大きい横型テレビモニターでは、イルカの泳ぐビデオが流れていた。
その後リクエストしていた初乳を含ませるために、きちんと服を着て帽子までかぶった赤ん坊が連れてこられ、初授乳。もちろん乳らしい乳などまだ出るはずもないのだが、しっかり力強く吸うので面白かった。
分娩台から降りる直前、処置のために腰を浮かせるように言われてその通りにすると、「体柔らかいわね」と褒められる。腰を上げられず、片側ずつ上げてもらって処置をすることもあるそうだ。ちょっと得意になっていたら、その後太ももがつってしまって苦笑い…
車椅子で病室に移動。
結局分娩室に移ったのが3時半ごろ、生まれたのは4時12分。2804グラム、49.5センチ、ちょっと小さめの元気な女の子。
お産が始まってからとても短い間で済んだので、ラッキーでした。安産と言えるでしょうねえ。
これまではぴーちゃんと呼んできましたが、これからはちーちゃん、ちいになります(*^o^*)
よろしくね。
オットは帰宅し、母が朝まで付き添ってくれる。
目が冴えてしまい、結局全然眠れない。
最初出血が多いからと腹に入れられていたアイスノンも、子宮の収縮がよいということで取られる。
大先生(副院長)が朝来られて、子どもの名前を聞く。その後、びっしり書かれた姓名判断の紙をいただく。うわさ通りだわ(^_^)
明治乳業の栄養士さん来訪、説明を受ける。面白い。粉ミルク営業なのね。こんな仕組みがあるなんて。
昼近くまでは上を向いたままの姿勢で病室のベッドで安静だったので、朝食も母に寝たまま食べさせてもらった。じりじり待って、起きていいと言われた時間になってから喜び勇んで新生児室へ向かう。
自分の生んだばかりの赤ん坊がベッドに並んでうねうね動いているのを見るのは感動モノ。なるほど、胎動の動きはこんなのだったのね。ほかには赤ん坊がいないので、ゆっくり眺められる。おもしろーい。
母が昼食を買いに出かけ、ようやく起きだしたオットがお待ちかねのお楽しみボックス(本当は陣痛室で過ごす時間のために用意するはずだった)をもって登場。アイスや飲み物などが詰まっていたが、ビールのミニ缶まで入っていてびっくり(笑)
オットが帰宅する母を送って行き、戻ってきたころにはちょうど、看護婦さんがちいを連れてきてくれていたので、一緒に2時間少々を過ごす。そのほとんどの時間眠っていて、ずっとオットは嬉々として抱いていた。途中で、おやつが出る。三時と八時半におやつ。いいところだ(^_^)
あまり眠くならないので、テレビを見たりして夜半まで起きていたが、隣室から赤ん坊がずっと泣いているのが聞こえる。大変そうだなあ。