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闇月の風 予告篇
これは名のない神々がかつて降り立ったという歪んだ陸塊の物語である。
大国サブールの北の辺境は厳寒のコンである。
国境の峠コンの深い岩山に僧院が立っている。
僧院長の養い子であるカライは、いつの日か学僧となり、都レイムを訪れるのが夢だった。
世界の秘密と自分の素性を明かすのだ。
名のない神々を讚える僧院の厳しい修業の生活は、突然終わった。
凶作の続いた年のある闇月の夜、雪深い国境の山並みを越えて隣国の蛮人の侵入が始まり、国境の砦と僧院は焼け落ちたのだ。
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